研究課題/領域番号 |
19520721
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研究機関 | 新潟県立歴史博物館 |
研究代表者 |
陳 玲 新潟県立歴史博物館, 学芸課, 研究員 (10373474)
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研究分担者 |
田邊 幹 新潟県立歴史博物館, 学芸課, 研究員 (50373478)
飯島 康夫 新潟大学, 人文社会教育科学系, 准教授 (20313489)
池田 哲夫 新潟大学, 人文社会教育科学系, 教授 (50313490)
中野 泰 筑波大学, 人文社会科学研究科, 講師 (20323222)
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キーワード | 帰村 / 民俗文化 / 再生 / アイデンティティ / ネットワーク / 民俗学 |
研究概要 |
2009年度は、2007年末に帰村(離村した事例も含む)後の個人、集落、そして行政など、各方面の活動の動向に引き続き注目しながら、それまで得た資料を整理、分析し、また補充調査を実施し、最終的に成果報告書にまとめることを取り組んだ。 具体的に、一つは、仮設住宅の暮らしに引き続き、被災状況が最も深刻な6集落の帰村後の実態を中心としたフィールドを実施してきた。今年度はおもに以下のテーマにしぼった。 1、地震を契機に整理し、もしくは新設されてきた墓地、石塔を対象に、そこから見られる変化の諸相について把握した。 2、帰村後の各集落に見られる集落再生の諸相、特色を中心に事例収集を重ねてきた。個人というアプローチから、震災後の避難、再生をめぐる過程において、集落の区長もしくは集落の中心的な人物が果たしてきた役割と集落再生のあり方と関連付けて、把握してきた。 3、帰村後の「山古志サテライト」(山古志地区災害ボランティアセンターが前身である)の活動に注目し、市町村合併後の地域の災害復興において、中間支援による地域再生についての取り組みの実態について把握し、それらを対象に民俗学的なアプローチを検討した。 二つ目は、全村避難の措置のなかで、3年間にわたる地域の人びとの仮設住宅を拠点とする避難、再生活動に日常的にかかわってきたボランティアセンターの日誌に注目し、整理、分析を行なってきた。これは、震災という非日常的時空間から日常へ恢復していく過程のあり方を明らかにするために重要な記録資料である同時に、今後引き続きその活動を災害復興として追跡調査することを必要とし、期待したいところである。 三つ目は、最終年度において成果報告書の作成をしたほかに、成果還元として新潟県立歴史博物館にて「棚田の可能性、その未来像-民俗学からの提言」を題に安室知氏による講演を開催した。
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