研究課題/領域番号 |
19529005
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研究機関 | 国際基督教大学 |
研究代表者 |
小澤 伊久美 国際基督教大学, 教養学部, 講師 (60296796)
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研究分担者 |
坪根 由香里 早稲田大学, 日本語教育研究センター, 客員講師 (80327733)
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キーワード | 日本語教育 / 教師 / 実践的思考 / PAC分析 / ビリーフ / 構造方程式モデリング(SEM) / プロトコル / 新人教師と経験教師の比較 |
研究概要 |
今年度は昨年度の反省を踏まえて、PAC分析の実施方法や解釈のし方について探求する一方で、ビリーフについての量的調査の準備として構造方程式モデリング(SEM)を用いた研究について学んだり質問紙を作成したりした。今年度も引続き、本研究におけるPAC分析の位置づけや用途を議論し、刺激文や分析に使用するソフトウェアの違い、インタビューの具体的な進め方、データの解釈のし方について検討した。結果として、一見、習得しやすい技法のように思われがちなPAC分析という研究手法は、ソフトウェアの選定においても、デンドログラムの読み取りやインタビューの際の文言などの具体的な実施面においても、インタビュー後のデータ解釈においても、研究目的を鑑みて細心の注意を払う必要があり、研究成果として公開する際にもそれらを明らかにすることが重要であることが明らかになった。本研究が目的としているような、日本語教師の「教授」に関する思考を明らかにするための一助としてのPAC分析では、被験者の意識のゆらぎも見られることから、特にこのような丁寧な解釈が必須であるという見解に達した。 また、質問紙調査では、SEMについて理解を深めつつ、質問紙調査票のパイロット版を作成し、完成したパイロット版のアンケートは配付・回収を終えたところである。平成21年度には、このパイロット調査の結果を検討し、本調査用の質問紙を作成する。 なお、今年度、パイロット版の質問紙調査票を作成するにあたって、日本語教師のビリーフに関する先行研究を参照し、本研究の前身となっている本研究関係者の共同研究で実施した小規模な調査の結果を検討した。その結果、ビリーフというものには質問紙調査法では明らかになりにくい事象が含まれているので、マルチメソッド研究という形でアプローチするのが妥当であるということが改めて確認された。さらに、質問紙調査をする場合の文言を考える際に留意すべき点がどのような点にあるかといったことが明確になった。
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