判例法主義を採る英米法において、歴史が本来的に組み込まれて(built in)存在しているということの意味、換言すれば英米法における時間(歴史)の要素の存在構造を、特に権威的法典籍(books of authority)における時間的要素に対する思考法および処理方法を追究することによって考察し、英米法には歴史が本来的に組み込まれていると言われることの根元的意味を明らかにし、英米現行法学・法制史学のあり方に対する一定の示唆を行って、ひいてはわが国における英米法制度の摂取のあり方を見つめ直す比較的視座を提供する。
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