従来私が進めてきたドイツにおけるシャテルニー(城主支配領域)の研究を発展させて、ドイツの封建制社会第二期(11-13世紀)をフランスのようにシャテルニー段階として把握しうるのではないかという問題に実証的に決着をつけるために、検討すべき領域をライン河中流域だけでなくドイツ王国の全体にまで拡大し、可能な限り多くの城塞について、その周囲の支配領域・支配権がフランスのシャテルニーと同質的なものであることを解明するものである。 具体的に言えば、ライン河中流域のほかに、その上流域と下流域、ドイツの北東部・南東部・中央部の城塞についても、その周囲の支配領域がシャテルニーであったことを解明することを目指す。
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