本研究は、ドイツ近代法学上の古典たるサヴィニー『現代ローマ法体系』に関わる遺稿(全体計画および第一巻相当部分、MS 925/11,B1.1-243)を解読することを主要な目的とする。そして研究の結果、対象となるすべての遺稿につき解読を完了し、このことにより、ドイツ近代法学史上の重要な著作の成立過程を知るための貴重な資料が得られた。わが国の法学はドイツ法学の影響を強く受けて発展してきた経緯があるため、本研究の成果は、わが国の法学の歴史的淵源をより深く、より精確に理解するための重要な手がかりを提供するものである。
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