研究課題/領域番号 |
19530027
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研究機関 | 獨協大学 |
研究代表者 |
磯部 哲 獨協大学, 法学部, 准教授 (00337453)
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研究分担者 |
中山 茂樹 京都産業大学, 大学院・法務研究科, 准教授 (00320250)
佐藤 雄一郎 神戸学院大学, 法学部, 准教授 (70326031)
高山 佳奈子 京都大学, 大学院・法学研究科, 教授 (30251432)
小西 知世 筑波大学, 大学院・人文社会科学研究科, 准教授 (90344853)
石井 トク 日本赤十字北海道看護大学, 看護学部, 教授 (10151325)
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キーワード | 医行為 / 看護 / 介護 / 業務・身分規制 / 患者の安全 |
研究概要 |
本研究は、医師法が採用する「医行為」概念の再検討を行い、医療者(医師、看護師等)と非医療者(介護者等)、患者と家族それぞれの役割分担や、具体的な指示系統の在り方、責任分担の問題等を、体系的に見直すこと、国民の安全確保のために現行法の体系をなお維持すべきであるのかどうかを問い直し、より柔軟でニーズに即した制度設計の可能性を展望しようとする。 昨年度に引き続いて、本年度も、憲法、行政法、民法、刑法、医事法を専攻する法律学研究者を中心に、数回の研究会を開催し、貴重な研究成果を得た(ゲストスピーカーとしても、多くの職種、分野の方に参加していただいてきた)。また、本研究を通じた本年度の成果物として、本報告書に掲げた各論考等がある。今年度の研究会では、「医業規制に関する政策と規制法的構造」と題した報告において、医業規制の具体的な制度設計のあり方をめぐり包括的かつ理論的な考察がなされ、規制の要件と手法とを分節しながら検討することの有効性を確認できた。また、ゲストスピーカーに薬剤師、麻酔科医をお招きして、薬剤師業務及び薬剤師教育課程における問題状況及び将来の課題を紹介してもらうほか、麻薬業務における補助者の可能性について、米国におけるAA等との比較を踏まえた研究などを行った。これらによって、より幅広く、問題状況を把握することが可能となった。さらに、患者支援の立場からも常に貴重なコメントをいただいている。これらの成果は最終報告書にまとめられることとなる。 現在、チーム医療推進の名のもとに特定看護師の議論が行われ、また、特養における介護職による医行為の解禁等も話題に上っている。現場の実情に耳を傾けながら、理論的で一貫した考察を重ねようとした本研究は、こうした政策課題に少なくない示唆を与える可能性があるものと思料する。
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