平成19年度においては、根森健は、ドイツ憲法学の領域におけるMediationの研究に関する書籍や雑誌論文を収集し、そして、裁判権の概念、裁判権の行使、人権保障や法律による行政の原理という視点などから、行政訴訟における調停的解決やMediationの学問的位置づけや許容性などを検討した。そして、三谷忠之は、ドイツ民事訴訟学の領域におけるMediationの研究に関する書籍や雑誌論文を収集し、さらに、ドイツ民事訴訟法学におけるMediationの類型や特徴、さらに、調停の類型や特徴など、とくにどういう分野で使われているのかを検討し、それと行政訴訟におけるMediationの関係などを検討した。小林博志は、ドイツ行政法学におけるMediationの研究に関する書籍や雑誌論文を収集し、そして、各州におけるMediationの発展状況、とくに、各州における行政裁判官の教育や裁判所での行政紛争解決におけるMediationに対する取り組み状況などを検討し、それを踏まえて、行政訴訟とMediationとの関係、とくに行政紛争に対する二つの解決方法についての裁判官などの取組み状況、それに対する理論的な諸問題などを分析検討した。3人は、お互いの研究成果を踏まえながら、それぞれの成果をより学際的に発展しつつある。
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