研究概要 |
平成17年度は、国際法上の消滅時効の研究にあたり、学説、国内外の判例の収集・整理および海外における聞き取り調査を実施した。学説に関しては、Hober,Extinctive Prescription and Applicable Lawin Interstate Arbitration(2001)を参考にしつつ、同書において引用されている諸文献の収集に努めた。また、判例に関しては、Lauterpacht, PrivateLaw Sources and Analogies of International Law、 Ralston, International Arbitral Law andProcedure(1910), Law And Procedure of International Tribunals(1926)に引用されている判例の収集に努めた。とりわけ、国際法上の消滅時効に関するリーディングケースである国際司法裁判所のアンバティエロス事件判決については、当事者の主張、判決の分析・整理を行った。さらに、近年、戦後補償に関して注目されている外国の裁判例にギリシャのディストモ事件およびイタリアのフェリーニ事件がある。これらの事例の資料収集、および聞き取り調査を行うために、ギリシャ国立図書館(アテネ)およびヨーロッパ大学(フィレンツェ)を訪問した。とくにヨーロッパ大学では、フランツィオーニ教授らと意見交換を行うことができた。
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