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2009 年度 実績報告書

信託法理論から見た知的財産信託に関する多角的研究

研究課題

研究課題/領域番号 19530084
研究機関筑波大学

研究代表者

星野 豊  筑波大学, 大学院・人文社会科学研究科, 准教授 (70312791)

キーワード知財信託 / 信託財産の価値 / 知的財産の経済的評価 / 信託法理論 / 信託の特徴
研究概要

本年度は、当初予定された研究活動の最終年度に当たるため、本研究の課題である知財信託の理論的特徴の抽出を種々試みたが、結論としては、当初の目算とは逆であるとの確信が形成されるに到った。
すなわち、研究開始時点では、知財信託には一般的な信託と比べて何らかの理論的特徴がある可能性が高いとの見通しであったが、現段階での結論としては、信託法理論から見る限り、知財信託と一般的な信託との間には、むしろ理論的連続性の方が強く認められ、特に債権信託との間に強い理論的連続性が存在するものと考えられる。従って、従来暗黙のうちに前提とされていると思われる、知財信託を信託の一般理論から切り離して独自のものとして位置づけようとする見解は、理論的には全く妥当なものでなく、むしろ知財信託の柔軟な発展可能性を妨げる恐れすらあるものと言わなければならない。
但し、知財信託の信託財産を構成する「知的財産」概念は曖昧であって、他の信託財産との異質感が強く、これが知財信託の「独自性」と誤解される恐れは否定できないように思われる。実際、本年度具体的に検討した知的財産の法的価値算定に関する局面では、特許庁の過誤による損害賠償という最も明快な局面でも、裁判所により法的価値算定に関する議論が区々であり、理論的にも優劣がつけ難い状況にある。従って、今後の研究課題として明らかであるのは、知的財産、さらには「財産」一般についての理論的検討を行い、知財信託を信託法理論の中で相対的に位置づける試みを継続していく必要があることである。
これらの課題を解決していく過程で、今回事実上道半ばとなってしまった「知財信託」についてより明確な知見が得られると共に、「信託」の理論的特徴についても、明確な観点に辿りつけることが期待できるように思われる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2009

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 知的財産の法的価値算定に関する一考察2009

    • 著者名/発表者名
      星野豊
    • 学会等名
      日本知財学会
    • 発表場所
      東京工業大学
    • 年月日
      2009-06-14

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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