1.4月から11月まではEUの難民政策に関しての動向の調査を国内で入手可能な文献を収集して行った。インターネット経由で手に入る文献の収集をしたり海外から著書を購入したりするほか、国内出張によって、慶応大学の図書館において日刊の報道誌であるAgence Europe、および一橋大学図書館において移民関係のロージャーナルを調べた。11月には神戸大学で開催された日本EU学会において「EU.における移民および庇護政策の展開と現時点」と言うタイトルで研究成果の一部を報告した。これらゐ作業により本科研のテーマの中の庇護政策・難民法の発展について多くの部分を明らかにすることができた。 2.12月からは、EUの対内的な政策の発展の調査を続けると同時に、EUの庇護政策のEU域外への影響を主として考察することとした。文献調査をしたほか、3月に海外出張を行い、スウェーデン大学の移民研究所、ブリュッセルのEU図書館、およびオックスフォード大学の移民研究所を訪問し、文献調査やインタビューを行った。なお、計画当初は、ブリュッセルのブリュッセル自由大学およびNGOを訪問することを予定していたが、これらは昨年の2月に訪れる機会があったため、研究資金を有効に使用するために訪問先を変更した。いずれも、本研究のために有用な資料を提供してくれ、EUの庇護政策が大きな対外的な影響力をもちつつあることが明らかになった。3月末には新潟で研究報告をしたが、この出張によって入手した資料等の分析はこれから本格的に行う予定である。
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