本年度は、日本、アメリカ、オーストラリアで研究を展開した。 まず日本では、日米英の政治行政システムや利益団体についての文献調査を進め、計画全体の基盤を作った。また消費者行政の再検討という現実に進展があったため、その動向をフォローした。この進展は、計画の当初では予想できない政策決定のパターンであるため、研究上の仮説も若干修正せざるをえなくなると考える。 アメリカでは、8月19日〜25日にワシントンDCでパブリック・シティズン他の消費者団体を訪問し、聞き取り調査を実施した。また3月17日〜30日にサンフランシスコでコンシューマー・アクションでの聞き取り調査、オースティンでP・マクラクラン・テキサス大学準教授との研究打ち合わせ、ソルトレイクシティでR・メイヤー・ユタ大学教授との研究打ち合わせなどをした。 オーストラリアでは、10月28日〜11月5日に国際消費者機構の世界大会に出席し、イギリスの消費者協会などの代表に聞き取り調査を実施した。また合わせて、オーストラリア消費者協会など、現地の消費者関連機関を訪問した。 以上のように本年度の研究は、基本的なデータ作りをおもな作業としていた。その過程で、仮説や枠組の変更を余儀なくされる部分も出てきているが、各国の政治=政党制と行政=行政国家が、消費者団体の組織および選好の形成にどのような影響を与えているかについて、次年度末には着実に世果を挙げられると考える。
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