研究概要 |
本研究プロジェクトは,これまでバラバラに理解されてきた「憲法」と「政治」を統合的に考察する「憲法政治」についての理論的な考察を行なうものである。特に,この分野で先駆的な研究を行っているハーヴァード大学のマイケル、サンテル教授の著したDemocracy'sDiscontentsーAmericainsearchofaPublicPhilosophy(BelknapPress,1996)の翻訳を進めている。現在のところ,初校の段階に至っており,順次公刊される予定である。 また,平成20年度に予定されているマイケル、サンデル教授を招聘して行なう国際シンポジウムの打合せのために,アメリカに渡った。その結果として,極めて重要な知見を得ることができた。アメリカのワシントシD.C.では,コミュニタリアンのアミタイ、エッツィオーニが主導するジョージ、ワシントン大学のコミュニタリアン政策研究所InstitutionforCommunltarianPolicyStudies)を訪問し、アメリカのコミュニタリアニズムの最新の文献や資料を手にいれることができた。次に,ボストンにおいては,アメリカ憲政史の起源を辿り,自然環境保護に大きな影響を与えているラルフ,エマーソンや,ヘンリー、ディビッド、ソローなどの「超越主義」(transcendentarism)の理論家たちが大きな影響を与えていることを知ることになった。また、ハーヴァード大学においてマイケル、サンデル教授と会談し、平成20年度に行なう国際シンボシウムの企画の内容について意見を交わした。さらに、サンフランシスコにおいては、ロバート、N、ベラー教授と面会し、憲法政治における「市民宗教」(civilReligion)の役割についてご意見をいただいた。 これらの準備を経たことから,平成20年度の国際シンポジウムは実りあるものになることが期待される。
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