研究概要 |
本研究は、ハーバード大学のマイケル・サンデル(Michael Sandel)教授の『民主主義の不満』(Democracy's Discontents-America in search of a Public Philosophy, Belknap Press, 1996)の翻訳を行ない、マイケル・サンデル教授を日本に招聘することを目的としていた。 本年度においては、日本においてほとんど議論されてこなかったコミュニタリニズムについての研究会を行ない、サンデル教授を招聘するための準備を行ってきた。2008年9月21日には、研究会「コミュニズムからコミュニタリアニズム」(主催:21世紀COEプログラム「持続可能な福祉社会に向けた公共研究拠点」公共哲学部門対話研究会、共催:科学技術研究費基盤研究(C)「日米における憲政政治-」(代表:小林正弥、H19年度-H20年度)を開催した。この研究会には、三重中京大学の菊池理失教授と鈴鹿医療科学大学の青木孝平教授を招聴し、政治学と経済学の双方の観点からコミュニタリニズムを論じた。その報告の一部は、『公共研究』(5巻4号、2009年)に掲載されている。 また、2009年3月20日にマイケル・サンデル教授を招聘した国際シンポジウム「アメリカの公共哲学:コミュニタリアニズムと共和主義」を開催した。このシンポジウムでは、マイケル・サンデル(ハーバード大学)教授を始め、井上達夫(東京教授)、五十嵐武士(東京大学)、菊池理夫(三重中京大学)、三浦信孝(中央大学)、伊藤洋典(熊本大学)、蕭高彦(中央研究院・台湾)、小林正弥(千葉大学)、中野剛充(千葉大学)が報告し、サンデル教授との直接的な対話を行い、有意義な成果を得ることができた。 『民主主義の不満』の翻訳については、最終稿の段階にあり、出版を控えている状態にある。
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