研究概要 |
アメリカ合衆国における「市民教育の政治学」の現在の境位を、歴史的視座と比較政治学的認識を保持しつつ、特にメリアム(Charles E.Merriam,1874-1953年)以後の合衆国における市民教育の諸実験(「価値の明確化」アプローチ、「認知的・道徳的発達」カリキュラム、「公的争点分析」アプローチ、「コミュニティ参加/関与」アプローチ等)を子細に検討し、併せて「市民教育」の現場となる学校をめぐる2つの革新的取り組み、すなわちボストン市を中心としたMETCO[教育機会のための大都市圏協議会]およびテキサス州を中心に展開したTIAF[テキサス産業地域事業団]の実験を分析することによって、合衆国が展望しえた市民教育の「政治学」の到達点と問題点、今後の課題の在処を明らかにした。
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