研究概要 |
昨年度(2008年8月)オスナブリュックで開催された第10回日独社会科学学会における報告を活字化し、日本との比較との観点を交えながぢ、ドイヅの非軍事平和政策に関する考察を進めた。 また、べルリンの国際平和出動センター(Zentrum fur Internationale Friedenseinsatze)を直接訪問し、所長を初めとするスタセフへのインタビューを実施した。また、ドイツの外交政策が軍事化しているという批判的な見地に立つ左翼党の外交専門家,パウル・シェーファー国会議員にもインタビューを行った。その他、関連NGOにおいても意見聴取を行い、本研究テーマに関する総合的な分析を行った。 その結果、ドイツの非軍事紛争解決政策の実像については、(1)対象地域によって評価に大きなばらつきがあること、(2)ZIFなど政府系団体、きリスト教会など暑をバックとする大手NGO、比較的小規模な自立的NGOという主体によっても、評価のに隔たりがあることがわかった。とりわけ問題視視されるのはコソボにおける活動で、国際的承認もあり得られず、自前的統治機構もおよそ未成熟な状況でEUのいわば植民地的な支配が行われているととの「アリバイ」として、ZIFなどの活動が利用されない側面がある。 とりわけ問題視されるのはコソボにおける活動で、国際的承認もあまり得られず、自前の統治機構もおよそ未成熟な状況でEUのいわば植民地的な支配が行われていることの「アリバイ」として、ZIFなどの活動が利用されない側面がある。 他方で,1998~2005年の社会民主党・緑の党による連立政権で始められたこの非軍事平和政策が、その後2度の政権交代を経ても、一貫している点は、ドイツの国家・市民社会双方の意思の反映であることも確認できた。
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