研究計画の初年度に当たる本年度は審議会のデータ分析を行い、「審議会の機能は合意形成型から多数派支配型へと変容している」ことを実証することが当初目標であった。11月21日より産休・育児休暇を取得することになったため、研究に従事する期間が限られ、収集を終えたのは以下のデータである。 まず本研究が対象とする審議会を精査し、歴代の委員の名簿を入手した。対象としたのは、第一に、審議会統廃合以降にも存置するいわゆる基本的政策型審議会とその前身審議会で、根拠法は国家行政組織法第8条または内閣府設置法第37条及び第54条である。第二に、委員の任命に国会の同意が必要な審議会も研究対象に含めることにした。これはいわゆる「ねじれ国会」の出現により国会の同意人事が政治的争点になったからである。以上は『審議会総覧』を用いて該当する審議会の名簿を過去にさかのぼり収集・整理した。第三に、小さな政府実現の推進母体(第二次臨調、第一次行革審、第二次行革審、第三次行革審、行政改革委員会、行政改革会議)および規制改革の推進母体(規制緩和小委員会、規制改革委員会)の委員名簿を整理した。 委員の名簿はデータベース化する予定であるが、今年度はAccessを用いてデータベースのプラットフォームを試験的に作成したにとどまった。 さらに来年度以降に行う事例分析のケースを選択するために、ジェンダー政策および医療政策に関して文献調査を行い、本研究の事例として適合的であることを確認した。
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