1.国内調査とその成果女性の政治的代表性に関心をもつ女性団体(北京JAC、WINWIN、市川房枝記念会)の主要メンバー25名に(1)女性議員増加の阻害要因並びに(2)増加するための有効な方法の2点を中心に面接を実施した。その結果、(1)については、選挙制度(小選挙区制の弊害)、政党の態度(恒常的かつ有効な方策をとっていない)、女性有権者の意識(同性を積極的に応援しようとはしない)といった問題点が指摘された。他方、(2)については、政党が積極的に女性を登用するよう、ジェンダー・クオータの導入を検討すべきという意見、また女性にかぎらず新人が立候補しやすいような選挙制度(たとえば比例代表の全面導入)に改正すべきといった意見が多かった。 2.国外調査とその成果(1)9月2日〜5日オスロ大学ジェンダー研究所所員及びノルウェー・社会科学研究院で調査を行なった。ノルウェーでは「企業管理職の40%を女性とする」という強制的クオータが導入され、企業文化の変化がおこっていることが明らかになった。(2)2月23日〜2月26日韓国女性開発院(ソウル)にて、韓国における法的クオータ導入の経緯について調査した。法的クオータの導入は、政党間競争、民主化勢力派の大統領(金泳三、金大中)の登場、女性運動の隆盛が政策の流れとなり、タイミングよく合流したことによって実現したことが明らかになった。 3.学会報告・学術交流(1)8月28日〜31日米国政治学会(APSA)出席、パネル31-19にて報告を行なった。(3)9月3日オスロ大学大学院日本語学科の学生(院生・学部生)と教員に「日本の女性と政治」について講演(英語)をした。(3)11月14目〜22日北欧アジア研究所のセシリア・ミルウォーツ博士と共同研究(日中の女性運動と政治参加の共通点と差異)。
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