研究分担者 |
上田 道明 佛教大学, 社会学部, 准教授 (00388076)
加茂 利男 立命館大学, 大学院・公務研究科, 教授 (80047357)
徳久 恭子 立命館大学, 法学部, 准教授 (60440997)
藤井 禎介 立命館大学, 政策科学部, 准教授 (70350931)
栗本 裕見 大阪市立大学, 都市研究プラザ, 特別研究員 (00449539)
桑原 武志 大阪経済大学, 准教授 (90351436)
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研究概要 |
平成21年度においては,研究対象都市の1990年と2005年の時点での都市の現状のデータの指標化とチャートグラフにより,都市の類型とその変化のパターンを導出した。これを,分権化とグローバル化という環境変化と関連づけて分析することを試みた。その結果,国内4都市の類型と変化は描き出すことができたが,当初の類型が収斂する方宇高にあることがわかった。そのため国内都市だけでは,都市政策の変化を分析しにくくなったため,これを相対化しうるような事例を求めた。 2009年9月に,近年,韓国国内で,首都ソウルとの違いや分担を意識した独自の世界都市戦略を展開しつつある韓国・釜山市への訪問調査を行った。その結果,第一に映像文化都市,第二に海洋・港湾と海洋金融についての,国境を越えた戦略的都市プロモーションと都市政策が存在し成功していることがわかった。また,本研究の対象都市でもある福岡市との交流を重視していることも判明し,2010年2月に福岡市調査を行った。福岡市では,1990年代以降,「アジア・太平洋都市」を目標とした都市政策が推進されてきたが,具体的な成果が求められる段階に入り,政策の成熟化もしくは転換期にあることがわかった。 分権化の側面では,2008年3月に行ったリバプール調査の成果を都市戦略と都市内の地域の組織化との関係で検討した成果を発表したほか,大都市からの分権改革要求の動きとしての「都市州」構想についての検討を行った。 本研究は研究期間を終了したが,国内の大都市の都市政策の類型やその変化をグローバル化,分権化という進行中の環境変化の中で捉えようとする当初の研究目的を達成するには,継続した研究が必要であると思われる。
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