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2007 年度 実績報告書

人間の安全保障規範の形成と伝播についての研究-北米、ヨーロッパ、アジアの比較

研究課題

研究課題/領域番号 19530130
研究機関大阪大学

研究代表者

栗栖 薫子  大阪大学, 大学院・国際公共政策研究科, 准教授 (00294968)

キーワード人間の安全保障 / 規範 / 国内政治過程 / 日本 / ヨーロッパ
研究概要

2007年度研究の目的に掲けたとおり、(1)人間の安全保障規範の形成と伝播のプロセスについてのリサーチデザインの拡充を行い、(2)地域ごとの多系的な規範の伝播プロセスの解明にとりくんだ。
前半は、(1)の先行研究を網羅的にサーベイしつつ、社会学、文化人類学の文献にも目を向けることによって、新しい分析枠組みの提示を行なった。国際政治学会(2007年10月)において研究発表を行ない、多くの方面からの関心が高いことを感じた。
(2)については、具体的にはヨーロッパと日本を中心に、事例調査を進めた。連合王国への調査(秋)によって、本領域における同地域の研究動向を把握すると同時に、ヨーロッパにおけ人間の安全保障概念の展開についての、聴き取り調査を行なった。
また、先行研究の調査を進めるうちに、まずは日本を事例研究の対象とすることに意義があるとの結論にいたったため、夏以降は日本における人間の安全保障規範の受容、再構成、国際的な規範へのフィードバックのプロセスを、聴き取り調査を重ねることで明らかにした。また、3月の渡米調査において、日本政府国連代表部の関係者への聴取を行なう予定である。本年の聴き取り対象は、政策形成プロセスに直接かかわった国会議員(元政務次官)、外務官僚、NPO理事長、国連職員などである。この結果の一部についても、前述の国際政治学会において事例としてとりあげ、研究発表を行なった。
本事例研究は、価値や規範のような従来日本政府が外交の柱として取り上げる経験のない分野において、どのようにして政策が進展したのかを解明する一つの興味深い事例となった。すなわち本規範の受容に関しては、官というよりは政治主導であり、首相のリーダーシップが重要であったこと、民間のブレーンの役割が相当程度あったこと、外務省内部でのイニシアティブもそれに比例して出てきたことなどで、これにより、外に対して規範を投影する方向性もうまれたことである。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2008 2007

すべて 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [学会発表] グローバルな規範伝播の多系的展開-日本における人間の安全保障規範の受容を事例に2007

    • 著者名/発表者名
      栗栖 薫子
    • 学会等名
      日本国際政治学会2007年度研究大会
    • 発表場所
      福岡国際会議場
    • 年月日
      2007-10-26
  • [図書] 第一章「人間の安全保障」を担当 『国際公共政策』2008

    • 著者名/発表者名
      栗栖薫子
    • 総ページ数
      11-41
    • 出版者
      大阪大学出版会(近刊)

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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