南北朝鮮関係と台湾海峡両岸関係という二つの分断・分裂国家を事例に東アジアの分断・分裂国家のナショナリズムを比較研究する。 冷戦の前方に置かれ、分裂国家でありつつ、権威主義体制を経験し、経済発展と民主化を実現した台湾と韓国は、国際的・国内的な環境要因を共有する一方、ナショナリズムの機能と変容において興味深い共通点と差異が見出せる。 分裂国家のナショナリズムが、当該国家間や周辺諸国との関係においてどのような行動要因となっているのか、また、内政の変化との相互作用の中で分裂国家のナショナリズムがどのように変化するのかを明らかにする。
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