昨年度より継続する作業として、米国ムスリム全般に関わるもの、および米国大統領選挙の推移に関わるもの、さらに米国の中東政策および中東情勢に関わる書籍、雑誌論文、公刊資料集等研究に関連する文献の収集を行った。また、米国大統領選挙に関する時事的な情報はインターネットを活用し、ウェブ上で入手可能なデータの収集と整理をおこなった。本研究に関連する、米国での主要なニュース、また国内・国際政治を扱う研究所、さらに米国ムスリムの諸団体を中心とする各種のデータを収集し、パソコンを活用したデータベースの作成を継続している。 海外研究出張に関しては、平成21年7月上旬に、米国ワシントンDCのコンブェンション・センターで開催される北米イスラーム協会(ISNA)全国大会に出席し、同協会関係者とのインタビューおよび資料収集等を行った。今回の大会は、首都ワシントンDCでの開催ということで、オバマ政権高官の出席もみられるなど、例年と比較してワシントン政治との関連が強く感じられた。 米国ムスリムの政治行動に関して、詳細な数的データ(世論調査、投票率、出口調査など)を収集し、インタヴューによって米国ムスリムの政治的態度を探った。2008年の大統領選挙に関しては、各種の資料・データは出尽くしたと判断できる。したがって、今年度はこのような収集データの整理と評価に集中し、平成23年度初頭に論文および学会発表が可能となるよう作業を進めている。 なお、本研究の一部を成すものとして、南アジア地域のイスラーム諸国から米国に移民するムスリムの動向についての分析を行い、雑誌論文として公刊した。
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