研究概要 |
今年度は研究の最終年度に当たるため、昨年度まで進めてきた理論的考察の成果並びに文献・聞き取り調査の結果を論文として形にすることに専念した。北東アジア地域の特性を勘案した地域ガバナンス形成の理論的枠組みの精緻化を図ってきたが、理論志向論文としてまとめ上げた。また、環境保全、情報通信という2つの分野での機能的協力の実態に関する様々な実証データを収集したが、こうした実証分野における協力の進展状況と問題点を考察・分析した論文数本を執筆した。年度の後半に実証部分の不足情報を補うために韓国・ソウルにおいて現地調査を実施、韓国政府環境部、環境関連NGO,韓国情報通信産業振興院などを訪問して協力の実態や問題点などについて聞き取り調査を実施した。さらに年度末の3月には、米国フィラデルフィアで開催された「米国アジア研究学会」の研究大会において研究成果をまとめた論文の発表を行った。本年度の研究成果として、研究の理論的考察に重点を置いた論文が、日本の英文学会誌に掲載された。さらに実証分野に重点を置いた2論文を査読付雑誌に投稿中である。また、本研究の主眼となる機能的協力を含めた地域協力に対する中国の対応と問題点を考察した論文が、米国の査読付雑誌に掲載された。
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