本年度における主要な研究成果は、次の2つである。 1.「最適構造決定法」の定式化 最適な提携構造決定の問題、すなわち、全体にとって望ましい提携構造の決定する問題を、前年度に引き続き調べた前年度の提携構造決定問題の定式化に基づき、提携構造決定法の性質を検討をおこなった。特に、最大コア指標最小化法を特徴づけ問題に関して、コア指標の性質を調べた。コア指標の性質を用いて、特徴付けを完成させることが、今後の課題である。 2.極小平衡な提携集合を求めるプログラム作成 前年度に得られた極小平衡な提携集合を求めるプログラムを基づき、プログラムの詳細の検討作業をおこない、プログラムの完成をめざした。現在、最大コア指標最小法のプログラムなしには、実証分析の実行は困難で、与えられたプレーヤーの集合に対して極小平衡な提携集合をすべて求めることが必要になる。本年度は、これまでに完成した極小平衡な提携集合をすべて求めるプログラムの発展および改良を試みた。実証分析では、このプログラムの完成が不可欠で、この成果の意義は大きい。 3.環境問題への応用 国あるいは自治体をプレーヤーとする提携型ゲームにおいて提携値を適切に定義することによって環境問題の分析をおこなった。本年度は、Shapley-Shubikのモデルを発展させたモデルを検討して、協力ゲームの環境問題への応用を試みた。
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