研究概要 |
単著論文"Old age support in kind"がJournal of Pension Economics and Financeに掲載を受理された.電子版はすでに公開されている.論文では高齢者向けの公的移転を現金給付でおこなうべきか,あるいは現物給付でおこなうべきかを議論している.私的な世代間移転(遺産)が戦略的動機によりおこなわれるとき,現金よりも現物の方が経済成長や経済厚生に有利であることが理論的に示される.これは公的介護サービスの論拠を示すものである. 日本経済学会秋季大会の招待セッションにおいて"Does population aging promote economic growth?"を報告した.論文は改訂作業を終え現在投稿中である.人口高齢化が経済成長を促すかどうかは議論の分かれるところである.論文では2つの私的な世代間移転(遺産と教育)を考慮し,人口高齢化の成長率効果を分析している.高齢化の初期段階では高齢化と経済成長は中立的であるが,高齢化がさらに進むと資本蓄積効果により経済成長が促されることが示されている. 国内の研究会において, "Population aging, education, and job opportunity at the later stage of life" "Does population aging promote economic growth?" を報告した(8月,3月).前者の論文は投稿に向け改定作業中である.
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