• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2007 年度 実績報告書

制度の経済学とその思想的基礎付けに関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 19530169
研究機関九州大学

研究代表者

荒川 章義  九州大学, 経済学研究院, 准教授 (50304712)

キーワードノイマン / ゲーム理論 / 混合戦略 / 公理的集合論 / 数学基礎論 / 量子力学
研究概要

今年度は新古典派経済学における人間像と制度の経済学における人間像の思想上の相違を検討した。新古典派経済学における人間とは、「社会化」やノルムの「内部化」を行う必要のない「超社会的」で徹頭徹尾「自律的」な存在であり、その行動は彼個人の「内的」特性に完全に還元されてしまう。この新古典派経済学における原子論的・機械論的主体は、「自我」の概念と完全に平行している。これに対して、制度の経済学における人間とは、「社会化」やノルムの「内部化」を行う必要のある「社会的」で徹頭徹尾「他律的な存在であり、その行動は彼個人の「内的」特性に完全に還元されてしまうことはなく、この制度の経済学における全体論的・円環論的主体は、まさに個人と社会、自己と他者の二分法を否定するプラグマティズムにおける「人間」の概念と完全に平行している。新古典派経済学は、デカルト主義と同様に、いわゆる「自律的」な「近代的自我」の存在を素朴に前提するのに対し、制度の経済学は、プラグマティズムと同様にもはやそのようなものの存在を素朴には前提しない。言いかえれば、新古典派経済学とはデカルト主義と同様に「『主体』は存在する」と宣言する「主体の経済学」であるのに対して、制度の経済学とはプラグマティズムと同様に「もはや『主体』など存在しない」と宣言する「反-主体の経済学」であることを明らかにした。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2008 2007

すべて 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [学会発表] ノイマンとゲーム理論の起源2008

    • 著者名/発表者名
      荒川 章義
    • 学会等名
      進化経済学会
    • 発表場所
      鹿児島国際大学
    • 年月日
      2008-03-23
  • [図書] 根井雅弘編『分かる現代経済学』2007

    • 著者名/発表者名
      荒川 章義
    • 総ページ数
      35-65
    • 出版者
      朝日出版社

URL: 

公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi