研究概要 |
1.研究内容・研究成果平成19年度は,研究対象である「社会主義経済計算論争」に関して,「1920年から1949年までの『論争』」について研究を行った。特に,従来の「論争」の研究で看過される傾向があったドイツ語圏での「論争」の検討を重点的に行い,ドイツ語圏での論争で非常に多様な論点が出されたこと,その中のいくつかは英語圏での論争を先取りする内容のものであったこと,特に,ドイツ語圏での論争において,客観的価値論から主観主義価値論へ議論の理論的な基礎が決定的に移行したことを明らかにした.2.関連文献の収集および電子ファイル化ドイツ語圏での「論争」を知る上で重要なK.ティシュの博士論文(1932年ボン大学提出)「中央集権的に組織された社会主義共同体における経済計算と分配」をボン大学図書館にて複写した.また,これまで全く研究されていなかった,ドイツ語圏の論争を「総括」したいくつかのドイツ語論文やオランダ語論文(一部)を翻訳し,電子ファイル化した.3.研究成果の発表・公表平成20年5月24・25日に開催される経済学史学会第72回全国大会にて,「K.ティシュの経済計算論」を含むドイツ語圏での論争について学会報告をする. 山本勝市の経済計算論争研究に関する英文論文は,Hrstory of Political Economyに投稿するために英語校正中であり,平成20年度内に投稿することになっている.
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