研究概要 |
研究代表者(森)と分担研究者(西村,伊藤)は,センサスのフレーム整備機能に代わり,行政情報を主情報源とする独自のフレーム作成状況について,ウェッブ等で入手可能な内外の情報を積極的に収集し,分析を行った。伊藤はアメリカセンサス局において,同局における世帯フレームの最新動向に関するヒアリングを,また西村はフランスにおける世帯フレームの情報源と考えられる住宅登録の実態についての現地調査を実施した。森はまた,オランダ統計局がVirtual Census実施の過程で整備した社会統計データベース(SSD)が世帯調査のフレームとして機能していることを明らかにし,フレームが従来のような単なる調査実施のための名簿提供機能を持つだけでなく,sample selection bias補正機能を有する事実を確認した。この機能は,今後,調査環境が悪化する中で不可避とされる調査結果の補正推計システムの構築に不可欠の要件として注目される。 これまでの研究成果については,来年度秋に予定されている日本統計学会の企画セッションにおいて発表するζとで,広く学会に周知することにしている。また,現在,統計委員会において年度末を目途に統計基本計画め策定作業渉進行中であるが,これまでの研究成果については,海外の統許の最新動向としてその審議過程に反映させることにしている。また,森は統計の分野での国際貢献活動の一環として,昨年8/9月に南来政府統計職員を対象とした研修に参画し,また森,西村は昨年11月に本邦で実施された同職員研修についてセンサスの最新動向とともにフレーム整備に関する先進事例の紹介を行うなど,研究成果の積極的な社会への還元を行っている。
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