今年度の研究では、無形資産(Intangible Asset)の理解の枠組みと価値評価問題について展望し、その議論を整理した。そしてその視点から、第1年度で行った百貨店の価値創造ERMの視点からの論文の改定を行った。展望では、基本的に無形資産分析評価の視点として (1)価値創造経営の視点からの無形資産の理解に枠組み・モデル (2)実際のビジネスや税務上要求される価値評価問題 を区別した。前者では、ブランドなど自らの経営のために無形資産を識別し、内部利用する立場と、外部に対して戦略的なコミュニケーションをするための利用に分けられる。また無形資産の指標化として、財務的な指標と非財務的な指標に基づいてその変化を評価することに関して、展望と提案をした。後者の場合、会計的な視点からの無形資産の価値評価法を展望した。これは、特許の売買や、M&Aにかかる無形資産評価などを展望的に議論した。
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