研究課題
知財群をまとめてライセンスする制度(パテントプール、Collective Rights Organizations)の川上、川下への影響を分析した論文が1本査読誌に採用され、1本は投稿準備を続け、別に新たな論文に着手した。(1)"Intellectual Property Clearinghouses : The Effects of Reduced Transaction Costs in Licensing"の査読誌Information Economics Policyへの掲載が決まった。一般に相互に補完的な複数の特許はパテントプールのような特許群としてライセンスすると社会厚生が高まるとされている。本論文は特許の補完性が弱い場合は必ずしもそうでないことを示している。プールの価格制限の機能が取引費用軽減の効果よりも大きいため、パテントプールが社会厚生を減少させることがありうるからである。(2)"Collective Rights Organizations and Investment in Upstream R&D"は既存論文が十分分析していないパテントプールの川上投資への影響を分析している。パテントプールが川上技術への投資を妨げる場合を明らかにした。いくつかの国際会議や大学報告で得られた新たな知見を反映するための大幅改定に着手した。(3)さらにパテントプールの技術と補完的、代替的(パテントプールの技術を排除しうる)な技術の開発のためにプール内外の企業が投資する場合の投資行動と技術進歩の様相の分析に着手した。
すべて 2010 2009
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (3件) 図書 (1件)
Information, Economics and Policy forthcoming(in press)
International Journal of Industrial Organization 27(3)
ページ: 333-345