研究概要 |
(1)既存の知財アクセス組織の把握:既存のパテントプール(MPEG,DVD等)やエクスチェンジを、知財の種類と特性(特許か著作権、補完的か代替的、等)、ガバナンス、価格体系、グラントバックの有無等に留意して整理する。 (2)知財エクスチェンジの経済分析:研究計画の概要(1)から得られた知見をもとに、知財・技術エクスチェンジをTwo-Sided Marketとしてモデル化する。エクスチェンジはOne-sidedの市場と考えられがちであるが、双方から費用を徴収することが可能であり、Two-Sided Marketとしてとらえるべきである。知財所有者と使用者が参加するインセンティブの与え方、組織が成功するために必要なCritical Massの大きさ、価格体系などの契約の詳細と情報の(非)対称性、社会厚生等Two-Sided Marketとして分析する。 (3)知財アクセス組織の比較経済分析:Collective Rights Organization(CRO)と知財エクスチェンジの比較を行う。両組織ともTwo-sided Marketとして分析したものはないので、まず研究計画の概要(2)の分析をCROについても行い、2つの組織をTwo-Sided Marketとしてとらえ比較する。さらに、両組織を統一したモデルで記述することにより、パフォーマンスの違いを捕らえやすくする。比較分析は組織の内部的要素(知財の種類と組織構成の関係、安定性)と外部的要素(知財アクセスの効率性、組織メンバーと非メンバーの技術開発、市場参入)等について行う。
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