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2007 年度 実績報告書

国際経済における枯渇性オープン・アクセス資源の最適管理問題

研究課題

研究課題/領域番号 19530203
研究機関名古屋大学

研究代表者

奥村 隆平  名古屋大学, 経済学研究科, 教授 (50106837)

研究分担者 蔡 大鵬  名古屋大学, 高等研究院, 准教授 (20402381)
新田 貴士  三重大学, 教育学部, 教授 (20202244)
キーワード国際経済 / 枯渇性資源 / 再生可能な資源 / 開放経済 / 世代間衡平 / 最適制御 / 資源のアメニティー・バリュー / 環境保全
研究概要

本研究の目的は、きれいな空気のようなアメニティー価値を持ちながら、地球上のすべての人々がともに利用・保全し、将来世代の人々とも分かち合っていかなければならないオープン・アクセス環境資源の最適な管理、すなわち、持続的経済発展と世代間公正を達成するために、どのような政策が望ましいかについて研究することである。
アメニティー・バリューを持たない枯渇性資源の分析について、公刊論文OKUMURA Ryuhei and CAI Dapeng, "Sustainable Constant Consumption in a Semi-open Economy with Exhaustible Resources", Japanese Economic Review, Vol.58, No.2, pp.226-237,2007において行った。ここでは、「一般化されたハートウィック・ルール」を導出し、消費の世代間衡平を達成するための、定常状態へ至る各変数の時間経路を、コブ・ダグラス生産関数を用いて陽表的に明らかにした。また、一定の消費量の維持において、国際資本移動に基づく対外資産の獲得が持つ重要な意味についても分析した。
空気や水、森林や湖沼のように国民にアメニティーを与え、かつ、ある程度再生可能な自然資源を含む開放経済を想定し、そこにおける動学的に効率的な資源の利用方法を検討した。再生可能な資源の場合、資源の利用ないし採掘量を再生産の範囲に抑えれば定常的な資源の利用が可能となる特徴がある。定常状態における資源存在量が、資源の再生能力や資源ストックがもたらすアメニティー・バリューの大きさによっていかに決定されるかを研究し、自然資源保全の方策について検討した。これについては、論文OKUMURA Ryuhei and CAI Dapeng,"A Ramsey Model of Renewable Resources with Amenity Values in an Open Economy"にまとめることができた。この論文は、現在、改訂・再投稿準備中である。
地球環境問題の解決に向けて現実性を帯びた解決策を提示することにあたって、横断性条件の定式化はその基礎となる。離散・連続動学最適化問題の数学的解析は長い歴史がありながら、横断性条件の定式化について、現時点で必ずしもコンセンサスを得ていない。Michel(1982,1990)およびKamishigashi(2001)などに基づき、厳密な数学解析により、無限計画期間における横断性条件の定式化についての新たな知見を論文OKUMURA Ryuhei, CAI Dapeng, and NITTA G. Takashi, "Transversality Conditions for Optimality in Infinite Horizon Problems:Three Additional Assumptions"にまとめることができた。この論文は、現在、投稿中である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2007 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Sustainable Constant Consumption in a Semi-open Economy with Exhaustible Resources2007

    • 著者名/発表者名
      OKUMURA Ryuhei, CAI Dapeng
    • 雑誌名

      The Japanese Economic Review 58

      ページ: 226-237

    • 査読あり
  • [備考]

    • URL

      http://www.geocities.jp/kibanc/

URL: 

公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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