研究概要 |
汚染物質削減政策の決定における投資の不可逆性の影響をリアル・オプションのゲームモデルを用いて検証した結果, 投資の不可逆性は最適な政策実施を遅らせる効果をもち, この効果は不確実性の度合いが増すにつれて大きくなることが示された. さらに各国が他国の削減にただ乗りをしようとするインセンティブが働き, 非協力解での政策実施のタイミングは協力解に比べてさらに遅くなった.結論として, 現在大きな議論の対象になっている気候変動など不確実性の大きな問題については, 政府は社会の変革をともなうような不可逆性の強い政策の実施には慎重になるべきであることと, 効率的な削減を行うためにはただ乗りを防止する政策が重要であることが明らかになった.
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