生物多様性の減少は、近年急速に進んでいると言われる。種の絶滅の速度は、自然の状態であれば、年間高々数種程度であるが、現在では、年間1万種から5万種が絶滅していると言われる。主要な理由は、一つは、熱帯雨林や湿地に代表される開発のための生息地の減少であり、もう一つは、個々の種の保全の仕組みである。本研究の目的は、こうした現状を踏まえて、この二つの側面から生物多様性の保全にとって有効な政策的枠組みを考察する。とりわけ、本研究では、生物多様性の保全を促進するような「インセンティブ」に焦点を当て、持続可能な保全政策についての研究を行う。
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