国際貿易が各国の所得に与える影響を理論的・実証的・多角的に分析するのが、本研究プロジェクトの目的である。これは、大きく3つの分野に分かれる。 (1)国際貿易が各国の平均所得に与える影響:「国際貿易→経済発展」の関係を見るだけでなく、国際貿易が経済発展に与える影響の効果波及経路を1つ1つ理論的に検討し、それらの効果を実証分析によって比較する。 (2)国際貿易が各国の平均所得の収斂・拡散に与える影響:先行研究では貿易の活発な国々の間では所得の収斂が見られるという結果を得ている。これは(1)の効果波及経路のうちどの経路に強く依存しているのか確かめる。 (3)国際貿易が国内各経済グループの所得に与える影響:国際貿易が国内の所得分配に影響を与える伝統的な経済モデルを応用して、両者の関係を世界の国々を対象にして調査する。
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