この論文は、1992年から2004年にかけての中国のICT輸出(製品分類SITC75、76、77)の日本市場と米国市場における成長を分析する。中国のこれら製品の輸出の成長は、期間中二桁の成長率を維持したことが示された。この成長率は、製品市場全体の成長率を大幅に上回るものである。2004年には、中国製品は日本のICT製品輸入の26%、米国のICT製品輸入19%に達した。更に、中国のICT製品輸出の急成長が他のアジアの国々(インドネシア、マレーシア、フィリピン、シンガポール、韓国、タイ)の輸出をクラウドアウトしたかどうかを分析した。実証結果は、クラウディングアウトの効果は国と製品ごとに異なることを示している。シンガポールとフィリピンの輸出は中国の輸出によって負の影響を受けた一方、インドネシアの輸出には影響は認められなかった。
|