研究課題
資源管理の一種である外来種管理問題は国内のみならず世界中で認知されており、生態系破壊や農業被害にかかる最重要課題である。まず、不確実性のない決定論的枠組みにおいて、捕獲効率の違いが最適戦略に与える影響を、動学的離散時間モデルを構築し、解析的分析と数値計算実験に基づき理論的に考察した。最適戦略が捕獲効率に大きく依存していることを理論的に示した上で、一般に最適と考えられている取り残し一定戦略に注目しつつ、導出された結果の経済的含意を検討した。次に、他の資源管理問題と同様に外来種管理においても不確実性が存在し、それら不確実性を事前に考慮した管理戦略が求められている。特に、外来種が翌期にどの程度増殖するか分からないとする「過程誤差」及び政策決定者が現状の外来種個体数について不正確にしか把握できないとする「測定誤差」という二つの不確実性が最適戦略にどのように影響を及ぼすのかを不確実性動学的離散時間モデルを構築し、解析的分析と数値計算実験に基づき理論的に検証した。測定誤差が存在すると最適戦略の解析的特徴付けが難しくなり、数値計算実験が有効な分析手法である。過程誤差のみが存在する場合においては、基本的に取り残し一定戦略が概ね最適となるものの、過程誤差及び測定誤差が存在する場合においては、取り残し一定戦略が最適とはならないことが示された。また、それら二つの不確実性(誤差)の程度が変化するにつれて、最適戦略がどのように影響されるのかに関する検証も行った。さらに、動学的評価関数で表される長期的社会厚生が不確実性の程度の変化によりどのように影響を受けるのかについても分析を行った。
すべて 2008 2007
すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 2件)
Environmental Economics and Policy Studies forthcoming
ページ: 12
三田学会雑誌 100
ページ: 747-771
GSIR Working Paper: Economic Analysis and Policy Series, International University of Japan EAP06-2
ページ: 45
GSIR Working Paper: Economic Analysis and Policy Series, International University of Japan EAP07-1
ページ: 37