研究課題/領域番号 |
19530227
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研究機関 | 関西学院大学 |
研究代表者 |
新海 哲哉 関西学院大学, 経済学部, 教授 (40206313)
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研究分担者 |
岡村 誠 広島大学, 大学院・社会科学研究科, 教授 (30177084)
大川 隆夫 立命館大学, 経済学部, 教授 (10258494)
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キーワード | 市場リスク / 技術・生産リスク / 寡占市場モデル / 事業資金調達 / 企業統治 / 企業組織 |
研究概要 |
本研究の目的は市場のリスクや技術・生産上のリスクに直面する寡占企業の企業組織や企業統治(コーポレート・ガバナンス)システムの違いが、この企業の競争戦略を通じて寡占市場での競争と経済厚生にいかなる影響を及ぼすのかを理論的に明らかにすることである。そこで、本年度は2008年度以後の研究の基礎となるモデルの検討を中心に研究を進めた。すなわち、 (1)企業が事業資金を調達する方法を選択することにより、企業統治(コーポレート・ガバナンス)システムをモデルに内生化した先駆的な先行研究であるBrander and Lewis(1986)モデル等の文献と、市場のリスクや技術・生産上のリスクに直面する寡占企業の企業組織の違いをPrincipal-Agent関係として定式化した先駆的な先行研究であるDewatripont and Tirole(1994)モデルとその周辺文献をサーベイし、両モデルが接合可能の技術的困難性を検討した。 (2)Brander and Lewis(1986)モデルで、異なる技術・生産上の大小のリスクに直面する複占市場を分析した。この複占モデル分析において、各企業の事業資金調達選択とそれがもたらすCournot均衡における最適な生産量戦略と厚生への効果を検討し、リスクにより間接金融・直接金融による資金調達方法の違いが起こるかどうかを検討した。とりわけ、リスク(不確実性を表す確率変数の分散)が大きい企業ほど、直接金融による調達が有利となるための条件を検討した。
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