本研究の目的は、発展途上国の経済開発/社会環境開発にバイオテクノロジーを適用し、(1)農業・畜産・工業廃棄物の微生物分解による環境負荷低減、(2)代替エネルギー生産によるエネルギーコスト削減、(3)新医薬品開発による医療環境改善などの可能性について模索するものであり、またそのためにバイオテクノロジーのロードマップの作成することにある。昨年度末から本年度にかけて、タイのバイオリアクターを用いた環境保全とエネルギー開発を行っている2社を訪問して、その実態を調査したが、その成果を受けてさらに多くのアジア諸国のバイオテクノロジーの研究の実態についての文献/報告書などを収集した。この成果は国際協力銀行のタイにおけるODAプロジェクト評価に関する調査報告書として刊行された。 さらに、ロードマップの作成は、デジタル文書のテキストの形態素解析をおこない、その共起頻度を発見し、多次元尺度法などの多変量解析の手法を適用することによっておこなわれるが、そのためにText Mining Studioという統計ソフトを用いて、日本特許庁の特許公報の中から関連する特許をダウンロードすることにより、ロードマップ作成の可能性について研究した。この研究は、日本企業の技術経営(MOT)戦略にかんする著者を含めた研究チームの共同研究と連動して行われ、近日中に成果が刊行される予定である。
|