研究課題
基盤研究(C)
本研究は、2本の柱から成っている。(1)発展途上国の経済開発へのバイオテクノロジー利用可能性と必要施策の研究ここで対象とする発展途上国とは、東/東南アジアである。近年、これら諸国はめざましい発展を示しているが、その負の側面として環境破壊、エネルギー不足、食糧不足という問題に直面している。これらの問題を解決しつつ、「持続可能な経済開発」を実現するうえでバイオテクノロジーに対する期待が高まっている。(1)農業・畜産・工業廃棄物の微生物分解による環境負荷低減、(2)代替エネルギー生産によるエネルギーコスト削減(バイオエタノール、バイオガス)、(3)バイオテクノロジーを用いた新医薬品開発による医療環境改善(伝統医薬あるいは生薬、およびゲノム創薬)、等である。しかし、現状のバイオテクノロジーはこれらの期待に応えるだけの水準には達しておらず、研究開発の積み重ねと、その利用を促進する制度的な枠組み作りが求められている。本研究ではこの現状と必要な施策を解明することを目指す。(2)テキストマイニングによるバイオテクノロジーのロードマップ作成上の目的を達成するためには、環境、エネルギー、農業、医療などの分野における、バイオテクノロジーの到達水準、将来の技術進化の方向性の予測(ロードマップ)、バイオテクノロジーの全体像(鳥瞰図)の獲得などが不可欠である。したがって、そのための努力がさまざまな箇所で行われ報告されているが、未だ十分ではない。本研究では、特許公報/研究論文という世界の技術の現状を最も正確に表現しているテキストデータを対象として、そのマイニングをおこない、ロードマップと鳥瞰図の作成を目指す。以上の二つの柱を融合し、バイオテクノロジーを東/東南アジア諸国の持続可能な経済開発の途を模索することを目指す。
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