研究課題/領域番号 |
19530255
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研究機関 | 中京大学 |
研究代表者 |
近藤 健児 中京大学, 経済学部, 教授 (70267897)
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研究分担者 |
藪内 繁己 愛知大学, 経済学部, 教授 (40264741)
多和田 眞 名古屋大学, 経済学研究科, 教授 (10137028)
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キーワード | 国際労働移動 / 中間財産業 / 環境汚染抑制産業 / 賃金格差 / 少子高齢化 |
研究概要 |
発展途上国からの外国人労働者の受け入れが、付随して双方の国の環境問題の積極的解決にも貢献できれば、それはいっそう望ましいことである。近藤は、多和田からの建設的なコメントを参考にして、Copeland and Tayolrのモデルを土台に、他の条件が同じなら、汚染排出産業の抑制技術が異なるとき、途上国から先進国へと労働移動が生じ、これは先進国の環境や経済攻勢に府の効果をもたらす。しかし環境財を提供する中間財産業が存在するケースでは、汚染抑制装置の有効性によってどちらの国が労働移動で利益が出るかが決まり、条件次第では先進国と途上国の両方が利益を得るケースもあり得ることが示された。貿易自由化の下でも、先進国が農業財の生産に特化している限り国際労働移動は生じ、それは世界の環境悪化につながることが示された。この研究は香港(招待)、久留米、ソウル(招待)、プラハでの研究報告を経て、Asia Pacific Journal of Accounting and Economics(2009)に掲載された。 国際労働移動が受け入れ国の賃金格差に及ぼす影響についての研究も進められた。藪内は熟練労働と非熟練労働の区別を明示的に導入したモデルを構築し、それぞれのタイプの労働と資本の国際的移動が、流入国の経済、とりわけ熟練労働と非熟練労働の間の賃金格差にどのような影響を及ぼすかを研究した。その結果、少子高齢化社会の労働問題を考える上で、タイプの異なる外国人労働の移民が国内の賃金格差に与える影響はきわめて重要であることが確認された。研究成果の一部は、セミナー(2010年3月24日、南山大学)やその他の学会で報告されるとともに、Economics Bulletin(2009)に掲載された。
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