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2009 年度 実績報告書

総額管理による医療費抑制下における医療供給サービスに関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 19530258
研究機関和歌山大学

研究代表者

稲垣 秀夫  和歌山大学, 経済学部, 教授 (70159937)

キーワード経済政策 / 診療所 / 病院 / 機能分担 / フリー・アクセス / 包括払い / 診療報酬
研究概要

平成21年度は、患者が自由に医療機関を選択できかつ医療機関が患者を選別する状況下で、医療機関の機能分担における「質の確保」と「医療サービス供給の効率化」、「医療費総額の抑制」が可能な医療制度の基本的枠組みの制度設計の理論化を行った。その分析フレームワークは、次のようである。
医療機関は診療所と病院から構成され、その機能分担は診療所に軽度患者の通院・外来治療を、病院が重度患者の入院加療に特化するものである。この機能分担の下で、わが国の特徴である医療機関への「フリー・アクセス」を前提として、診療所と病院の両医療機関は、初期治療において軽度・重度に関係なく患者を受け入れる。病院は重度患者を入院治療し軽度患者を診療所に紹介する。両医療機関ともに、紹介患者を断ることができないものとする。患者治療は、初期治療と継続治療のワンセットとする「二段階治療」を想定された。この分析フレームワークから得られた煙論的帰結は以下のようである。
患者による「医療機関の自由選択」と初期治療と継続治療をワンセットとする「二段階治療」を想定する場合、出来高払による診療報酬支払を適用する初期治療では、医者が選択する治療レベルは医療機関に訪れる重度患者比率に依存して高い治療レベルが選択される。しかし、初期治療後の医療機関の患者紹介行動は軽度患者に対する選択治療レベルを引き下げる。患者紹介後に施される入院治療における治療選択レベルは、患者一人当たりの包括払い(定額払い)に診療報酬支払によって入院加療が必要な重度患者の疾病レベルより低い治療レベルが選択される。
今後、この医療制度の実効性に関する経済実験による検証が必要である。

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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