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2008 年度 実績報告書

動的均衡アプローチによる金融市場のミクロ構造分析

研究課題

研究課題/領域番号 19530266
研究機関小樽商科大学

研究代表者

和田 良介  小樽商科大学, 商学部, 准教授 (00241414)

キーワードミクロ構造 / 取引量と変動率 / 外国為替市場 / 非同質的期待 / 連続時間マルコフ過程 / 推移行列
研究概要

平成20年度の実績は「動的均衡」モデルの核心部分である「推移確率」の数値計算が可能となったことである。これにより、同モデルの比較静学を明確に行う道が開けた。これまで解析的な方法で結果の予想がつけられるだけであった。これによって予想の確認ができるようになった。ただし、H20年度中の論文には間に合わなかった。
本研究計画は、外為市場における取引を「連続時間マルコフ過程」として表現する。非同質的な予想を持つ参加者の間で取引が成立するにつれ、外為市場は有限個の「状態」の間をランダムに「推移」する。このような過程を「動的均衡」と呼んでいる。このアプローチにより「取引量」と「相場変動率」の決定を説明しようとするものである。
「推移確率」は時間と共に変化する。収束過程と極限は「相場変動率」の変化を説明する上で大きな役割を果たす。ところが、行列の計算が関わるため解析的な方法による比較静学は難しい。数値計算によっても、10人以上の市場参加者の場合には科学計算ソフトMathematicaによっても数値例を示すこともできなかった。「推移確率」は、信用リスクに関する「格付け推移」モデルでも用いられている。H20年秋にウィーン工科大学の学会で同モデルの発表者と意見交換したが全く同じ問題が未解決であった。残る方法としてシミュレーションを行った。「推移確率」の収束が早くなると「相場変動率」が上昇することに気付いた。これはそれまで見落としていた点である。さらにシミュレーションにより分析を進めるためには、プログラムの作成だけでも膨大な作業量が見込まれた。
そこで、「推移確率」を直接求めるべくMathematicaを言語とするプログラムの作成能力の習得を直近の目標とした。その結果、既存の壁を越えて参加者25人でも「推移確率」を計算することが可能となった。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 備考 (1件)

  • [備考]

    • URL

      http://www.otaru-uc.ac.jp/~rwada

URL: 

公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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