医療・介護の連携について、理論的・実証的分析を行った。日本の医療制度の問題点について理論的整理を行い、医療・介護の連携の持つ理論的な含意について考察を行った。結論は以下の通りである。医療システムにおける効率性を実現するためには、以下の5点に留意する必要がある。(1)医療・介護費用負担に関する整合性を確保することが重要である。機会費用の高い病院における費用負担の方が介護よりも大きくなるように設定するべきである。(2)医療を受けるか介護を受けるかは、患者の身体状況に応じて決まるべきである。(3)医療から介護へ、介護から医療へ移行するに当たっての紹介者、仲介者が必要である。 第二に、オランダにおける医療・介護の連携についてケーススタディを行った。資料、データの制約の中で医療制度内での連携の在り方が考察の中心になったが、プライマリーケア医であるGeneral Practitioner(GP)が重要な役割を果たすことが示された。
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