研究課題/領域番号 |
19530269
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研究機関 | 一橋大学 |
研究代表者 |
釜江 廣志 一橋大学, 大学院・商学研究科, 教授 (60091542)
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研究分担者 |
皆木 健男 北星学園大学, 経済学部, 講師 (70438349)
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キーワード | ティック・データ / 国債市場の効率性 / 日本国債先物取引 / ビッド・アスク・スプレッド / 純粋期待仮説 / 甲号5分利公債 / 第1回4分利公債 |
研究概要 |
第1の研究目的であるティック・データを用いる国債市場の効率性に関する分析は、東証において取引されている日本長期国債(JGB)先物のボラティリティと流動性の関係について検証した。ボラティリティのイントラデイ・パターンと取引量・スプレッドのそれぞれのイントラデイ・パターンにどのような関係があるのかをテストし、次にボラティリティの非対称性を含めたGARCHモデルを用いて、取引に関する新たな情報として取引量とスプレッドのどちらが価格に影響を与えているのかを検証した。その結果、ボラティリティのイントラデイ・パターンと取引量のイントラデイ・パターンには逆方向に変動することが示された。 また、現在の国債市場の非効率性の原因を過去にさかのぼって探るために国債市場の成立とその後の展開を歴史的に調べた。まず、明治以降現在に至るまでの国債市場と公共債市場の推移を概観した。ついで、市場構造の効率性を計量的に分析する試みを行なった。戦前については取引が盛んに行われた甲号5分利公債、第1回4分利公債の日次と月次データを用い、戦後については10年長期国債の最長期物の日次・月次データを採用して国債利回りに関する純粋期待仮説が成立するかを共和分分析により分析すると、戦前、戦後ともこの仮説は成立せず、市場の効率性がいえないことが示唆された。
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