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2007 年度 実績報告書

郵便貯金事業における民業補完事業の将来における維持可能性

研究課題

研究課題/領域番号 19530277
研究機関岡山大学

研究代表者

西垣 鳴人  岡山大学, 大学院・社会文化科学研究科, 教授 (40283387)

キーワード郵便貯金 / 民業補完 / ユニバーサルサービス / 郵政事業民営化 / 制約的ビジネスモデル / 官業の特典
研究概要

本研究では、まず過去における郵便貯金事業の官業ゆえの特典(税金・預金保険料の免除等)とユニバーサルサービスを含む官業ゆえの制約とを金額的に比較し、次に将来における民業補完事業の持続可能性について検討を行う。1年目の計画は過去における金額の推計と比較であり、これらをベースに最終目的である将来予測が行われる。
諸特典の金額は、全国銀行協会によれば、1992年から2001年までの間、約2千億から9千億円程度の間で推移しているが、より多くの考慮すべき要素を加えた本研究の推計では、「特典」の捉えかた次第で結果は分かれるものの、いずれの場合においても全銀協の数値を下回った。
官業ゆえの制約としては、ユニバーサルサービスの提供等の民業補完事業に加えて、資産運用面で一定の制限が存在することによる機会費用も合わせて推計する必要がある。この機会費用は、郵便貯金が全国銀行と同じ内容の運用をした場合に得られたであろう利息・手数料収益と実際の収益との差額として求めた。民業補完事業のコストは、最も多く見積もっても1千億円を超えることはなかったが、資産運用における機会費用はその10倍程度の規模で推移している。
ここまでの結論を述べれば、もし官業ゆえの制約を民業補完事業だけに限るなら、そのコストは諸特典の金額で十分賄われてこられたことになるが、制約的なビジネスモデルによる機会費用を考慮すれば、郵便貯金事業は民間金融機関に比べて不利な競争条件であった可能性が高くなる。
次の課題は、民営化後、ビズネス上の制約が少なくなる一方で特典が失われる郵便貯金における民業補完事業の持続可能性についてである。将来の様々なシナリオを考慮する必要があって郵政民営化先進国の調査が行われる。これは当初は2年目の計画であったが、現在までに過去に収集した情報やネット情報に基づく国ごとの比較研究を雑誌論文として発表、さらに08年2月27日から3月7日までニュージーランドにおける郵政民営化の現地調査を行った。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2007

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 諸外国の郵政事業民営化-「先進事例」から何を学ぶべきか2007

    • 著者名/発表者名
      西垣 鳴人
    • 雑誌名

      都市問題 98巻12号

      ページ: 72-79

  • [学会発表] 郵政民営化-諸外国の『先進事例』から本当に学ぶべきことは-2007

    • 著者名/発表者名
      西垣 鳴人
    • 学会等名
      生活経済学会・中四国部会
    • 発表場所
      広島市
    • 年月日
      2007-11-10

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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