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2009 年度 実績報告書

グローバライゼーションによるインフレの産出ギャップに対する反応感応度の変化

研究課題

研究課題/領域番号 19530278
研究機関広島大学

研究代表者

千田 隆  広島大学, 大学院・社会科学研究科, 教授 (00304387)

キーワードインフレーション / 金融政策 / 主成分分析 / 労働の保蔵
研究概要

本年度は、昨年度得られた主成分分析による結果をどのように解釈するべきかについて考察した。
昨年度得られた主成分分析の結果は以下の通りである。インフレの産出ギャップに対する反応感応度の変化について、日本のデータを用いて実証分析を行った。主成分分析により、最近の我が国におけるインフレの産出ギャップに対する反応感応度の低下は労働時間の変化によってもたらされていることが明らかになった。すなわち、まず、11の労働需給データから主成分を抽出し、賃金上昇率を主成分で回帰した。その結果、賃金上昇率は第1と第2の主成分に依存しており、また、第1の主成分は有効求人倍率として、第2の主成分は総労働時間として解釈できることが示された。さらに、賃金上昇率と第1の主成分(有効求人倍率)との間には正の相関関係が、賃金上昇率と第2の主成分(総労働時間)との間には負の相関関係があることが明らかになった。
これらの結果のうち、賃金上昇率と第1の主成分との間の正の相関関係は、有効求人倍率が上昇すると賃金が上昇すると解釈できる。しかし、賃金上昇率と第2の主成分との間の負の相関関係は、景気が好転して総労働時間が上昇すると賃金が下落するということになり、この結果と整合的な説明を求める必要がある。本研究では、我が国の労働市場における「労働の保蔵」に注目し、好況期に労働時間が増加すると労働の保蔵が減少し単位時間当たりの賃金が下落する傾向があることを明らかにした。この成果は、Inflation : Causes and Effectsに分担執筆"Wage Inflation and Labor Market Pressure : A Principal Components Approach," pp. 121-136として発表された。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2009

すべて 図書 (1件)

  • [図書] Inflation : Causes and Effects (分担執筆 : Takashi Senda, "Wage Inflation and Labor Market Pressure : A Principal Components Approach," pp. 121-136)2009

    • 著者名/発表者名
      Leon V. Schwartz(編者)
    • 総ページ数
      195
    • 出版者
      Nova Science Publishers

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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