研究概要 |
戦前期日本の金融システムにおいて、銀行中心のサブシステムと金融市場中心のサブシステムがいかなる競合・補完と分業の関係にあったかを考察し、其の役割分担の実態を整理するとともに、金融システム全体として銀行中心・市場中心のいずれの方向に向かっていたか、すなわちシステムの動学的な進化の方向を検討する。金融システムの機能を、資金動員、資金配分(情報生産とリスク負担)および企業統治の3側面から捉え,その機能が限界に達したときに生じる政策的対応として制度変化を把握する。まず当時の経済知識やそれを盛り込んだ政策構想がいかなるものであったかを調べる。つぎに、関係する利害集団の行動様式と力関係、経済思想が人々の制度改革行動に及ぼした影響、の2点を比較しつつ制度変化のメカニズムと方向を分析する。
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