研究概要 |
この研究では合併が雇用と賃金に与える影響について分析した。おもな分析対象は1990年から200年までの上場企業同士による合併である。得られた結果は以下のとおりである。典型的には合併3年後までに雇用が3.338%減少する。合併を産業、事前の企業業績に基づいて分類を行った。典型的には関連合併および救済合併において雇用の減少が著しく観察された。高年齢従業員が大き企業ほど雇用の削減が多く、この効果は特に関連と非救済合併で顕著であった。また、賃金については、合併3年後までに典型的には437,851円上昇している。この効果は年齢や売上高の変化などをコントロールした後で得られたものである。これらの結果は、従業員を搾取することが合併のおもな目的ではないことを示唆している。
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