研究概要 |
本研究では,自己保有債券を市場で資金化する場合に,自己保有債券の売却が市場に与える影響(マーケット・インパクト)により自己保有債券資金化の価値に影響を受ける.これらのリスクにおいて,自己保有債券を市場で資金化する場合に、最高の価値を得るための最適方策を確率過程を適用して解析的に求める.例えば,一定期間内で最大の価値を得るための,1回の債券売却量,売却の回数などの最適方策を求める. 本研究では,第1に債券市場におけるマーケット・インパクトの基本的な考え方を明確にし,マーケット・インパクトの定式化を行い,保有債券の資金化における最適方策を導出する. 第2に,債券の市場流動化の価格がより実際の価格変動に近似させるために,累積損傷モデル(D.R.Cox[1962】)を適用できるかを探り,市場流動化の価格変動を解析的に把握することにある. 第3に,このような興味ある上記の問題を,理論モデルとシミュレーションシステム構築を主目的とし,確率モデルの構築・数値計算シミュレーションシステムの両面から研究を遂行する.その応用として,ファイナンスSupply Chain Management(FSCM)システムを構想する.
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