研究課題/領域番号 |
19530310
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
加藤 房雄 広島大学, 大学院・社会科学研究科, 教授 (90104869)
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研究分担者 |
黒澤 隆文 京都大学, 大学院・経済学研究科, 准教授 (30294507)
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キーワード | ドイツ / ナチズム / スイス / 地域経済 / 地方自治 / ゲマインデ制 / 行政の優位 / 社会経済史 |
研究概要 |
「ドイツ・ナチズム下の地域経済=地方自治の相関とスイス史-実証研究と国際比較」に関する今年度の研究経過と成果は、およそ以下のとおりである。(1)図書館調査を踏まえた文献・資料の整備については、とりわけ「ドイツ地方自治史の連続と断絶」に注目して、計画どおり、ベルリン州立図書館を中心に行った。Oscar GabrielやHans-Georg Wehlingらの基礎的業績を幅広く収集しながら、その熟読に努めた。第二次世界大戦後の西ドイツの自治制、とりわけゲマインデ制について、「南ドイツ議会制」(「行政の優位」の顕著な市長制)と「北ドイツ議会制」(権力分立型のイギリス的議会制)との対抗、そして、ドイツ全体における前者への接近と適応の過程などの実情を確認できたことが、収穫であった。(2)研究成果としては、平成20年9月28日、広島大学で開催された社会経済史学会第77回全国大会の共通論題報告「地方自治史の国際比較」を組織するとともに、その第一報告「ドイツ地方自治史の連続と変化-間題提起に代えて」を担当した。 二度にわたる海外研修では、上記の文献検索・図書館調査のほか、ベルリン・フンボルト大学とウィーン大学の協力を得ながら、前年度に引き続き、Markus Denzel教授(ライプツィヒ大学)、Margarete Wagner-Braun教授(バンベルク大学)らドイツ語圏研究者の知己との交流を深めることができた。この点も、貴重な成果の一つであった。
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